終末医療は、ホスピスや緩和ケア病棟の登場により大きくあり方が変わってきている。今までは「延命することが、1番大切」と考えられていたが、近年では患者さんが「最期の時を自分らしく生きるために、心や体の痛みを和らげること」に重きを置いたケアが大切にされてきている。
死を間近に控えた病気の患者さんと、その家族の心の痛みや体の痛み、苦しみを和らげることを目的とするケアを行う施設が「ホスピス」や「緩和ケア」と呼ばれるものである。
病による痛みや全身の倦怠感、また食欲不振といった身体的な苦痛はもちろんのこと、身体的な事だけではなく、病による不安や悩み、これから先の生きがいを見つけられないといった、心の痛みを緩和するために医師や看護師、ソーシャルワーカー、ボランティアが1つのチームとなって、色々な角度から患者さんのケアにあたることを目的としているのである。
緩和ケアは、病院やホスピスに入院していなければ受けられない、ということではなく、在宅であっても緩和ケアを受けることが可能になっている。緩和ケアを導入する施設は近年増えてきているが、それでもまだ患者さんの数からいくと足りているとは言えず、緩和ケアチームも同じく、まだまだ足りているとは言えない状態である。
また地方では、基本的な面で専門知識や技術を持つ医師や看護師の不足が深刻であり、緩和病棟を新しく作っても緩和ケアチームが集まりにくいという問題がある。
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